4月23日、東京都豊島区にある「池袋本町電車の見える公園」で、1時間辺480マイクロシーベルの放射線が検出されました。
放射線の数値が高い遊具脇の地中から掘り出された円盤のような塊はラジウムの可能性があるようです。
ラジウムは私たちの生活の中でどのような用途で使われているのでしょうか。
ラジウムはどのような用途に?
医療分野
これまで。がんなどの放射線治療の放射線源として使われてきましたが、現在はコバルト60に取って代わられています。
時計の夜光塗料として
1990年代以前には暗いところで時計の針や文字盤を発光させる夜光塗料として使われていました。1910年から20年代にかけて、夜光塗料を塗る作業をしていた従業員にがんの発生が多発していたことが知られています。
2011年に東京都世田谷区の木造民家の床下から発見された放射性物質もラジウムでした。
容器の一部に「日本夜光」と書かれていたことから、夜光塗料用のラジウムたったのではと言われています。日本夜光とはかつて日本にあった夜光塗料の会社名です。
その時その家に住まわれていた90代の女性や、すでに亡くなられているその女性の家族にもラジウムに関わる仕事をしていた人はおらず、どうしてその場所に放射性物質があったのかは今も謎のままです。
非破壊検査の放射線源
製品を壊さずに中の状態を見る検査用に使われています。産業用として用いられている他、空港などでの手荷物検査などでも使われています。
不法投棄?
これらのような用途で使われていたラジウムが、何らかの理由で豊島区の公園に不法投棄されたものではないかと考えられます。
しかし、2011年に世田谷区で発見されたラジウムのように、偶然民家の床下で保管されていたものとは異なり、何者かが何らかの意図をもってその場に埋めた可能性もありえます。ただ単にいらなくなった放射性物質を放棄するだけであれば、人通りも多いそのような場所に埋める必要はないからです。かといって、テロと言うわけでもなさそうですけど。